オフィス移転のココがすごい

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ひと昔前までは、乳ガンになると胸の筋肉を含めて乳房の全体を取り去ってしまう手術しか治療法がありませんでした。 最近になって、乳房の形を残し、悪いところだけを除去するという手術法が考え出されました。
従来の方法と比較した大規模調査も出てきましたが、有効性に遜色のないことがわかり、マスコミなどでも話題になったところです。 ガンに共通した治療法の1つですが、手術の他に放射線が使われることもあります。
強い放射線を当てると、どんな細胞でも死滅します。 そこで、健康な細胞に当たらないように注意しながら、ガンに的を絞って放射線を当てるのです。
乳ガンを抑えるクスリもあり、よく使われています。 いわゆる抗ガン剤です。
化学療法とも呼ばれ、何種類かのクスリが昔からよく使われています。 最近になって、タモキシフェンというクスリが開発され、乳ガンの特効薬として注目を集めています。
タモキシフェンは、抗ガン剤というよりは女性ホルモンの働きを止める作用のあるクスリで、1種のホルモン療法といってよいかもしれません。 女性ホルモンは、乳ガンを悪化させることがわかっていますので、自然の摂理に適ったクスリです。
ただし、誰にも有効というわけではなく、クスリがまったく作用しないタイプの乳ガンもあることがわかっています。 幸い、それを区別する検査法がありますから、クスリを飲む前にどちらのタイプかを判定することができます。
乳ガンのクスリには、化学療法とホルモン療法の2つがあることになります。 あまり効かない抗ガン剤化学療法による乳ガンの治療効果を調べた調査は、世界中で無数に行われてきました。

しかし数が多いわりには、どの調査も小規模で、またPのグループを用意していないものが多いのです。 ガンの集団検診などでは、健康な人が調査対象ですから、少し無理すれば大勢の協力者を集めることができます。
しかし、ガンになってしまった人を対象とする治療法の調査では、患者さんがそれほど大勢いるわけではなく、本来、大規模調査は難しいのです。 また、動脈硬化症などとは違い、短い間に命にかかわるような事態になりかねない病気ですから、患者さんの心理を考えても、また倫理上もPを飲ませておくわけにはいかないという判断がなされているわけです。
いずれにしても、化学療法の調査は小規模なものがほとんどでしたから、報告された結果にもいささか信頼性が不足しているように思われます。 50歳以上では効果があり、それ以下では効果がないと結論した調査もありますし、その逆の結果を出したものもあります。
さまざまな抗ガン剤を一緒にして飲んだほうがいいとするデータもありますし、そうではないとするものもあったりするのです。 化学療法の有効性をPグループと比較した調査を32件ほど集め、多数決方式で分析を行った研究者チームがあります。
多数決方式はいいかげんな調査も真面目な調査も一緒にしてしまうのでよくないといいました。 しかし、このように数が多い場合には、仕方ありません。
分析を行ったチームは非常に大きな組織で、日本人を含む世界中の300人以上の医師が協力しているものです。 チームには「早期乳ガンに挑戦する研究者チーム」という名前が付いています。
彼らが行った集計では、化学療法はやや有効と結論した調査が二5件、やや無効が7件であったとのことです。 ややというのは、いずれも小規模なため断言できないという意味です。
集計結果から、この研究者たちは、1つ1つの調査は数学的にみて信頼性を欠いているが、多数決で有効と判定できる、といっています。 Pグループと比較した点は評価できますが、対象者200人以下の調査がほとんどです。

調査ごとに、クスリの種類や飲んでいる期間がまちまちですし、対象者を転移がない人に限ったものもあれば、そうでないものも入っていました。 ホルモン療法と一緒に比較した調査もあれば、そうでないものも含まれています。
こんな具合ですから、多数決で結論を出してしまうのはやはり危険です。 この分析の対象となった調査では、クスリを飲んでいる期間が6ヵ月から2年ほどでした。
百歩譲って、短期間の服用に限って抗ガン剤は有効かもしれない、といえないこともありません。 ただし、手術時に転移がなかった人たちだけでみると、どの調査でも有効性は認められていません。
この「早期乳ガンに挑戦する研究者チーム」はかなり凝り性で、多数のレポートを繰り返し発表しています。 ごく最近になって、再び同じ方式による最新データの集計に挑戦しました。
最初の集計から6年がたっています。 集計の結果は、化学療法がもう少し効くようになったかもしれないということでした。
しかし基本的には、最初に集計を行ったころとクスリはほとんど変わっていないのです。 抗ガン剤を多めに使うグループと少なめに使うグループに分けて効果を比較するという方法もありました。
1000人以上の患者さんを対象にして、このような方式を取った調査が2つあります。 一方は1500人の患者さんを対象としており、治療を3年間続けたあと、寿命の変化を比べています。
協力者は、それぞれ抗ガン剤を少なめに飲むグループ、普通の量を飲むグループ、多めの量を飲むグループの3つに分かれてもらっています。 その結果、抗ガン剤の量を多くすると、わずかに長生きすることがわかりました。
もう1つの調査もほとんど同じ方法で行われています。 対象者は約2000人で、同じく3年間の観察を行っています。

ところが、こちらの調査では、抗ガン剤の量が多くとも、少なくとも、寿命にまったく差がありませんでした。 2つの大規模調査で結果が食い違っていることもあって、やはり、化学療法の有効性に関しては、疑問が残ります。
抗ガン剤の副作用抗ガン剤は、細胞の遺伝子にダメージを与えるクスリですから、それ自体が強烈な発ガン物質でもあります。 したがって、抗ガン剤の副作用の1つは、長い間に別のガンが出てくる可能性があるということです。
とくに多いのは白血病です。 アメリカでの研究によれば、ある種の乳ガン治療薬を2年間飲み続けると1.7パーセントの人が白血病になるとのことです。
このデータに対して、通常の量を飲んでいれば大丈夫という反論もあります。 しかし、抗ガン剤を通常の量より多く使うと確実に白血病が増えるという点で、すべての研究者の意見が一致しています。
先ほど述べた調査の1つで、抗ガン剤の量を増やしても死亡率が変わっていませんでしたが、効果と副作用が相殺されているのではないかと考えられます。 新薬登場ガンの患者さんに治療をしないわけにはいかない、というのが現代の倫理です。
ところがホルモン療法に限ってみると、Pグループとの比較をした大規模調査がたくさん行われています。 1980年代のアメリカで、大規模な調査が10年間の歳月をかけて行われました。
タモキシフェンの有効性を検討した調査で、協力者は3000人もいました。 全員が手術を受けた患者さんですが、転移がなく、このクスリが効くタイプの乳ガンと確認された人だけが選ばれています。
まず、手術直後の5年間、全員を均等に2つのグループに分け、一方には本物のクスリを飲んでもらい、他方にはPを飲んでもらいました。

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